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上げ落ち ジャガード織とも呼ばれ、織り込むときに糸を上下させて織り進められたタオルになります。つまり、上に上げる部分と落として平にする部分を指定することで、1色の糸だけでも立体的な模様が生み出せる、基本的なジャガード織りであり、わりと古くから作られています。凹凸が生まれることで立体感があるので、1色の糸でもデザインの優れた上品さのある仕上がりのタオルを作ることができるのがいい点です。
麻 亜麻、大麻、ラミー、ジュート、マニラ麻などの植物の総称。繊維としての麻は20種類近くあり、そのうち衣類として使われ、家庭用品品質表示法で麻と表記されるのは、亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)の2つです。吸放湿性に優れ、清涼感が高いため、特に夏場に好まれて利用されてきました。ラミーを100%使用するとややチクチクするので、綿との混紡や交織して用いられます。対して、リネンは高級素材として100%素材として使用されており、やわらかでしなやか、吸水性が速くて適度なしわやシャリ感などが好まれています。リグニンやペクチン質といったガム質が多く含まれる麻。使えば使うほどガム質が落ち、リネン独特のやさしい白さや柔らかさが出てくるのが特長です。
後晒し 糸についた不純物を取り除き(精錬)、白く漂白する工程を「晒し(さらし)」といいますが、これをタオルを織りあげる前にするか後にするかで、「先晒し」「後晒し」を区別されます。後晒しは生地を織り上げてから晒し、色をつけるので、基本の仕上がりはカラータオルになります。後晒しは明治20年頃から大阪の泉州タオル産地で続く製法で、通常のタオルに使う綿糸は織りやすくするために糊をつけて糸切れを防ぎつつ織り上げるため、最後に糊抜きが必要です。後晒しは織った後で水洗染色等の晒しの工程が入るので汚れや目に見えない雑菌も綺麗に洗い流され、清潔な吸水性抜群のタオルになるのが特長。(もちろん先晒しタオルも糊抜きします)後晒しは最後の洗い上げの効率面もあり、パイルの長さや密度を抑えた軽量薄手のタオルが多く、コスト面でも優れます。
甘撚り 1mあたりの撚りの回数は数十から数千と様々だが、通常より撚り回数が少ないものを甘撚り、反対に回数が多いものを強撚糸と呼びます。撚りが甘い分、糸の強度は弱くなり、超長綿でも糸切れを起こしやすい。そのため製織時に引っ張る力(テンション)が弱いヨコ糸や、起毛素材やニット製品によく用いられます。 タオルの場合は究極のやわらかさや肌触りを追求し極甘撚りの糸で織られた製品もあります。この糸で編みこんだ生地は、しなやかな風合いと抜群の柔らかさを楽しめるが、その一方、ハリとコシがないためパイルがクタっとしやすい印象もあり、その柔らかさを長く味わうにはお洗濯方法など一工夫が必要です。
糸染め 糸段階で染色することを指し、先染め製法は織る前に糸染めをします。製造された糸を精錬漂白し、糸をチーズ状もしくは枷(かせ)状などにまとめて染色します。染色した糸を組み合わせて織り上げた織物のことを先染め織物と呼びます。ギンガムチェックやタータンチェックなどが代表的な先染め織物。先に染めた糸を使って織り上げるため、ジャカード織りの良さが活きた、複雑なデザインも表現できるのが利点。タオルの染色には、コットンと相性のいい反応染料が用いられますが、高温でも色落ちしにくい製品が求められる場合はスレン染料が使用されます。逆に、先に織り上がった生地を染める場合は「後染め」と呼ばれます。
インクジェットプリント 一般のインクジェットプリンターと同じ原理で、紙のかわりに布にプリントします。CGや写真など、毛違いや後染めでは表現できないデザインの織物ができ、ロットの調整も自在だが、大量生産には向きません。染料のクセはありますがパソコン上でのデザインをフルカラーでほぼ再現できます。インクを吹き付ける染色方法になるため、かさ高性のある生地やベタの多いデザインは少々苦手としますが、数十、数百単位での独自性のあるオリジナル製品作りには向いています。
インド綿 インドは約7000年前からインダス川流域にて栽培されていた痕跡が残る、世界有数の綿生産国です。大航海時代から産業革命、資本主義黎明期にかけてインドの綿は世界に名をとどろかせました。綿自体の品質評価ではさすがに米綿にやや劣るのですが、程よい強度があり、色合いと均斉度に優れています。その栽培品種は多岐にわたり(約65種)、単位面積あたりの収穫量が多く、有名な超長綿にはスビン、中長綿としてシャンカー6などあります。やや蝋分や油脂が多く、太くて短い、湿度に強く通気性高いという特性から、昔から日本では布団綿として使われていました。ニット製品への需要が高いのも特徴です。
ウォッシュタオル 本来ウォッシュタオルは入浴時に石鹸などをつけて身体を洗うものでした。日本では入浴時に浴用タオルを使用し、ウォッシュタオルはドライユースと、使い分けての使用が多いです。キッチンでお皿を拭いたり、軽く汗をぬぐったり、お客様へのおもてなしタオルとして利用されます。サイズはハンカチよりも大きく、フェイスタオルよりも小さい中間サイズの正方形のものが一般的で、ハンドタオルとも呼ばれます。バッグに入れて携帯したり、プチギフト用としても需要があり、デザインも含め、比較的しっかりした作りのものが多いです。
ウエットユース タオルは大きく分けて2つの使い方があり、一つは、濡れた身体や物を拭くために乾いたタオルを使う場合には「ドライユース」と呼ばれます。それに対しお風呂の身体洗いや、ふきんやぞうきんとして、タオル自体を濡らして使う場合が「ウェットユース(WET USE)」です。入浴時に石鹸などをつけて身体を洗うものを浴用タオルやボディタオルといいます。濡らして絞る必要性から、薄手で織りの密度が粗いものが多く、乾きが早いのも特長です。
ウズベキスタン綿 主に中番手用のアプランド綿です。旧ソ連時代に中央アジア諸国で綿花栽培が奨励され、大規模な灌漑でアラル海が干上がった話は有名です。アメリカから輸入された品種を改良し、安定した品質と色合いのむらの無さから需要も高く、ウズベキスタンは世界有数の生産量を誇ります。
エアジェット織機 空気の力で緯糸を飛ばし、高速運転が可能で音も比較的小さい織機です。今治のタオル産地ではレピアの稼動が最も多く(約3分の2)、エアジェットも10%前後の比率で稼動しています。生産性や汎用性は無杼織機のなかでも一長一短ですが、エアジェットは1980年の国内実機生産以降、急速に普及している現在の主流機種です。
エジプト綿 ナイル川流域に沿う南北に細長い地域で生産されるエジプト綿は、繊維長が長く均質で、強度に優れる世界最高級の綿花です。ペルーが原産といわれるバルバデンセという長繊維綿で、高級綿製品の原料として使われています。エジプト綿の中にもいくつか種類があり、ギザ45、ギザ70、ギザ76、ギザ77等があります。その中でもギザ45が最高級の綿ですが、年々生産量が減少し希少価値がとても高くなっています。エジプト綿は1本1本の繊維が細くて長く、強度に優れ、均整度に優れます。シルクのような美しい光沢としなやかさをもち、かつては日本でも数多く輸入されていたため、高級綿=エジプト綿と記憶されている方も多いです。
オーガニックコットン 3年間無農薬を使用していない畑で、化学肥料等を使わずにできた綿花の総称をオーガニックコットンとよびます。品種としては一般の綿花と同じです。綿花栽培はその栽培面積比をはるかに上回る農薬使用量で問題となっております。そのため、農薬や化学肥料を使用せず環境負荷を抑えた取り組みが進められ、トレーサビリティーと第三者認証機関による認証によって、オーガニックコットン製品として認められます。しかし一方で無農薬栽培は生産量低下や害虫被害など、生産者の生計を圧迫する可能性もあります。そのため、生産者保護の観点からフェアトレード認証に基づく取引が基本となっています。
オーストリア綿
オーストラリア綿の品種はすべてアプランド綿です。主にクイーンズランド州南部およびニューサウスウェールズ州北部の内陸部で栽培されており、灌漑に頼ることから品種改良が活発で、生産量の9割が遺伝子組換え綿花といわれています。北半球と収穫時期がずれるため大変重宝されます。
大判バスタオル バスタオルよりひと回り大きいサイズでビッグバスタオルとも呼ばれます。幅70cm以上、長さ150cm以上のものが主流で、風呂上り以外にも枕代わり、子供のタオルケット代わりなど、様々な用途で使えて人気です。少し古くなったらミシンで縫ってバスマットやシャワーローブにするなど、アイデア次第で長く使えます。
筬打ち(おさうち) 経糸が上下に開かれたときできる杼道に緯糸を通したとき、経糸と緯糸とを正しい位置で交差させるために、筬で緯糸を強く打ちつけることを言います。杼口に入った緯糸を織り口に打ち込み緯糸を堅く締める道具を、筬(おさ)と呼びます。この筬は経糸がからまないよう、短形の櫛状になっています。タオルの製造工程では、タテ糸とパイル糸を寄せて打ち込む重要な役割を担います。
おしぼりタオル おしぼりは来客時や食事時のお手ふき、夏場の汗ふきなどに古くから使用されていました。最近では幼稚園、保育園で持たせることも多いですね。織物としては、吸水性が良く乾きが早いものが好まれますので、ガーゼなど比較的薄手のものが用いられます。もちろんタオル生地でもおしぼり用途を想定した商品も生産されております。利用シーンが様々ですので、柄がかわいいもの、質より量のセットもの、いろいろありますが、ここぞというときには是非今治タオル認定のおしぼりタオルを!
織機(おりき、しょっき) 経糸を上下させて緯糸をその間に挿入して織物を作る機械の総称です。仕組みとしては簡単ですので、古くから世界中で使用されています。人力で織る「手織り機=手機(てばた)」の時代が長く続きましたが、カートライトの力織機が登場して以降は、急速に技術革新が進められ、従来の手織り機は伝統工芸品などの用途に限定されました。20世紀後半からはより高速のシャトルレス織機の導入が進み、シャトルより10~20倍以上のスピードで広幅の織物も容易な、生産性の高い織機が普及しています。主な種類にグリッパー織機、レピア織機、ウォータージェット織機、エアジェット織機があります。