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織物の用語集(さ行) glossary-textile-s

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サイジング 綿糸への糊着け工程を、サイジングといいます。綿やポリエステル混の糸の強度をアップさせて、表面の毛羽を抑え、かつ平滑性を増すして織りやすくするために糊を付けます。単糸はほぼ例外無く糊付けを行うが、双糸の場合は糊付けしないこともあります。また、フィラメント(長繊維)においても糊付けを行う事があります。タオルは製織において糸を引っ張りながら織るので、この時に糸切れや伸び縮みを防ぐためです。糊の原料は天然糊剤であるでんぷん、合成糊剤であるPVA(ポバール)、半合成糊としてセルロースを原料にしたCMC(カルボキシメチルセルロース)が主に使用されます。現在PVAが糊付けの主流であるが、安価なでんぷん糊を混合して使う事も多くアクリル系の糊剤などが使用されることもあります。
サテン 織物の基本組織は平織り、綾織り、朱子織りですが、サテンとはこの朱子織りです。経糸、緯糸の交錯点を一定の間隔に配置した、経糸または緯糸の浮きが多い組織で、それから生み出せる豊かな光沢が最大の特徴です。平織りの経糸が交互に浮き沈みをくり返しているのに比較して、サテンは5回に1回とか7回に1回しか緯糸の下になりません。光沢と柔軟性、しわのなりにくさはその恩恵といえますが、反面、摩擦に弱く縫い目の強度の低さの原因でもあるので避けがたいものです。豪華な雰囲気を持つためドレスなどに用いられますが、熱を通しやすいため、冬場は生地が冷たくなりやすく、また吸水性はあまりありません。
湿式不織布(しっしきふしょくふ) 短い繊維を使い、これを水に浸して、紙と同じ製法でつくった不織布のことです。不織布は大きく分けて3つの方法で作られ、乾式と湿式、スパンボンド法があります。乾式とは異なり薄いシートができるのが特徴です。紙と不織布の協会ははっきりしませんが、湿式不織布は製法も同じですので、ますます線引きが困難です。用途は食品包装用、コーヒーフィルター、ティーパック、壁紙などで、紙と似た地合、風合いを持っており、生産量は不織布全体の約一割を占めています。
シェニール シェニールは暖かみのある独特の風合いが特長の織物です。スコットランドで生まれ、ドイツの伝統ある織物として知られます。特徴的なのは二度の製織工程で作られることで、一度織り上げた織物をタテ糸に添って切断し、横糸として再び織り上げる、熟練された職人技による希少価値の高い織物です。暖かみのある独特の風合いが特長の織物ですが、この仕上がりを得るために、一度織った織物を再度織り上げ、織物を作る製法から日本では「再織」とも呼ばれています。
シャットル(シャトル) シャットルは繰り返すという意味合いを持ち、スペースシャトルやシャトルバスなども繰り返すことから名付けられています。これは織物においてヨコ糸を通すための杼(ひ)としてシャットルが発明されたことに由来します。古代より手織りの織機が発明されてから、人手によってヨコ糸が通され、打ち込まれていました。18世紀にフライ・シャットルが発明されて以来、次々と新しい技術が生み出され、シャットルも様々な形が生まれましたが概ね舟型の形をしています。フライ・シャットルにより生産性は数倍に上がり産業革命が加速します。20世紀以降はより高速織機の開発の中でシャットルを用いない無杼織機が主流になりつつあります。
シャンブレー シャンブレーは織り組織としては平織りです。経糸に色糸(糸染めした糸)、緯糸に晒し糸を使用した先染めの織物です。これはデニムとそっくりですが微妙に違い、デニムは経糸に色糸、緯糸に晒し糸を使って綾織りしたものです。糸は同じですが、織り方が異なるのですね。デニムと違い平織りですので基本的に薄手が多く、淡い色合いが特長で品のよさやソフトな触感が魅力です。デニムよりは耐久性が低いので主にトップスとして用いられます。主に綿糸が使われますが、緯糸にポリエステルの未染色の糸を使った霜降り調にしたシャンブレーを作る事も出来ます。糸の太さは通常、経糸緯糸ともに20番から40番で、近年は、経緯に各々異なる色を使った無地調織物を総称してシャンブレーと言ううこともあります。
縮絨(しゅくじゅう) 羊毛やその他の獣毛繊維は、濡らして乾かすと繊維が互いに密にからみ合い離れなくなります。ウール衣料品がお洗濯で縮むのはフェルト化現象によるものです。この、羊毛を石鹸とお湯とで押し洗いして毛がお互いに絡みあい、密着させる作用を縮絨といいます。毛織物の仕上げの工程で、組織を緻密にし、また毛端を絡ませてフェルト状にすることで、石鹸溶液やアルカリ性溶液で湿らせ、圧力や摩擦を加えて収縮させます。フラノ、オーバー地、ツィードなどに代表される紡毛織物の仕上げ工程です。縮絨し過ぎるとフェルト化が進み硬い風合いになり、伸度もなくなってしまいます。
朱子織(しゅすおり) タテ糸とヨコ糸の交差点が連続することなく、一定の間隔で配置された組織です。平織りや綾織りと並ぶ、基本組織の一つでサテンともよばれます。織物の表面にタテ糸が多く現れたものが経朱子、反対を緯朱子といいます。糸が長く浮いているので、ひっかかりに注意です。経糸または緯糸の浮きが多い組織で、それから生み出せる豊かな光沢と滑らかさが好まれ、ドレスなどに使われます。ベネシアン、ドスキン、イタリアンなどが知られます。
昇華プリント 昇華プリントは、特殊なインクを気化することで、生地の繊維を染色するタイプのプリントです。熱と圧力でプリントインクと生地を張り合わせる顔料プリントや染料プリントとは異なり、インクを気化して生地を染め抜くのでインクが繊維に浸透してきれいな仕上がりとなります。広い分類では転写プリントと同じです。シルクスクリーンプリントと異なり、製版代が不要のため小ロット印刷や、多色プリント、グラデーションの再現に最適な手法です。主にポリエステル素材にのみプリント可能で、綿素材には適しません。
真空転写機 熱で染め上げる昇華プリント時に圧力を抜き、真空状態にすることでの転写効率をさらに向上された転写機です。高熱、真空にすることで特殊な形状の素材も昇華転写することが出来ます。変わったところではiPhoneケースのプリントができる転写機もあります。美しい色彩をより短時間で生地に染め上げることができ、製品の風合いを保ったまま転写できるのが利点です。
シルクスクリーンプリント シルクスクリーンプリントとは捺染のひとつの手法で布地等にプリントする一番ポピュラーな印刷方法です。図案に使われている色別に、枠に張った紗に製版して、染料もしくは顔料を1色ずつ生地にプリントしていく方法でかつてはこの紗をシルクで作っていたのでシルクスクリーンとよばれます。紙の印刷が赤青黄黒の各4色の版で色ごとに印刷されるのと同じです。図案が鏡像として反転しないのがオフセット印刷との違いとなります。ロットや色数に応じて様々な機械があり、生地にやタオル等にプリントする場合にも用いられ、オリジナルTシャツ作成においては最も多く使用される手法です。
シーチング シーチング (sheeting) は、布地の織り方ので、平織り全般を広く指しますが、織りあがった布地を指す場合もあります。ベッドシーツや枕カバーなどの消耗品の寝具から、シャツ地、スーツ地など、用途は様々です。 白地の未晒の平織りで、おそらく最も安い布地で、洋裁において仮縫用シーチングとして普及しています。
杉綾(ヘリンボーン) 一定間隔で綾目が右上がりと左上がりをくり返す、綾織りの変化組織の代表的な生地です。ヘリンボーンとはにしんの骨の意味です。杉の葉の形ににていることから、日本では杉綾・綾杉とも呼ばれます。通常厚手の生地が多く、ジャケットやパンツ素材として使用されます。特に素材を選ばないので、綿、ウール、シルク、ポリエステルとあらゆる素材で織られるポピュラーな柄です。 ヘリンボーンいまばりタオル
スクリーン印刷 スクリーン印刷は、ポリエステルなどの合成繊維やステンレスなどの金属繊維で織った「スクリーンメッシュ」を用いた版を使用する印刷方法です。スクリーンマスクの網目にインキを通過させ、対象物へ印刷する孔版印刷の一種で、スクリーン版の枠内に印刷インキをのせて、スキージでインキを摺動すると、インキはレジストのない部分のスクリーンを通過して、被印刷物に転移します。よって、ありとあらゆる素材に印刷できますが、多色刷りでは版とコストも増え、版自体の耐久性からも小ロット向きの印刷です。単色の場合ははっきりプリントができますが、グラデーションの再現には向いていません。
スパンポンド 不織布の作り方の一つで、繊維が十分固まらないうちに溶かした原料樹脂を直接ノズルの先から溶出・紡糸させ、連続した長い繊維で不織布を製造する方法する方法です。スパンボンドは腰と張りがある不織布の一種で、使用する原料、そして厚さによって様々な種類があり、紙おむつや生理用品などの衛生材料から、生活資材、車両資材、土木建築資材、農業資材など幅広い用途に使われています。原料樹脂から不織布まで一貫生産しますが、この製造法はわたを外部から供給を受けて生産する短繊維不織布とは異なります。素材としてはポリエステルが多く、ナイロンヘポリプロピレンなどの溶融紡糸によるものが適しています。
スレン染め スレン染料は木綿、麻などの植物性繊維を染色します。日光、洗濯に非常に強いので実用品の染色に適します。この染料は通常は水に溶けず、アルカリ性で、かつ還元された状態で初めて水に溶けます。これを布に染み込ませ、空気中に広げて酸化させると、発色し、固着します。いわゆる「藍染め」と同じ原理の染色法です。高熱、摩擦に強く、塩素系漂白剤に対する耐脱色、耐変退色にも強い加工です。特に日光堅牢度が優れています。ただ、明るい色を出すのが難しく、コストが高くつくというデメリットもあります。
洗絨(せんじゅう、scouring) 毛織物の仕上げ工程の一つです。織上がった生機の表面の毛羽を、ガスの炎の上を通して焼きます。さらに洗剤で汚れを落とし、重いローラへ何回も通します。それにより製織中のごみ、池の付着、または紡績中の油などを除去し、適度な柔軟性と膨らみが出せます。先染織物の場合はそのまま乾絨機へ、後染めの場合は風合いを整えて染色機へ回されます。鹸化法や、乳化法などの洗剤による方法と、ロープ洗絨機や、オープン洗絨機などの機械による方法があります。
染料 染料は、水など特定の溶媒に溶解させて着色に用いる有色の物質です。古くは藍や茜など草木の汁液や花などを用いて、衣服の着色のために使われてきました。現在は天然染料に替わり合成染料が多数使われています。染料として用いられる物質の分子は、色を有し、布や紙などへ染着する性質を持っており、繊維の中に浸透し発色します。また染料は、繊維と結合するための基(直接染料の-NH2基など)や、水溶液で染色する場合は水溶性にするための基(-SO3Na基など)が必要であるなど、目的に応じた複合的な構造になっています。大きく分けて天然染料と合成染料があるが、19世紀に青色色素インディゴの合成が達成されて以降は天然色素はその値段の高さから急速に駆逐されてしまいました。
ソリッド 繊維業界では、ソリッドとは、「無地」という意味で、柄を使わない単色仕上げの織物やニットです。