綿製品といえば基本は「白」ですね。
色が付いている織物は、染料で繊維を色付けしたものですので、元の綿繊維は白いのが普通です。これは綿花栽培が普及する中で、白い綿が市場に好まれて色付きの綿花が淘汰されていき、いつのまにか白ばかりとなったためです。布を染色するには元の色が白い方が綺麗に仕上がります。そのため、生成りや茶色の綿が混ざっては困るため、より白い綿花を求めて品種改良が進められたのです。
本来の天然綿花(天然有色綿)は繊維の中心(ルーメン)に色素が定着しており、いくつかの色のものがあったようです。南米では昔から細々と栽培され、ほとんど世の中の人に忘れられた存在になっていました。
アメリカの昆虫学者サリー・フォックスは、無農薬の綿花栽培を提唱し、自らオーガニックコットンの栽培もしていました。1982年、突然変異(もしくは先祖返り?)した、色付きのコットンが発見されます。彼女はこれを「カラードコットン」と名付けました。エコロジーへの関心が広がった時期でもあり、無農薬で育った自然な色のコットンは世間の注目を集めました。通常のオーガニックコットンの生成り色よりやや濃い茶色のコットンと、うっすらと緑色に染まったように見えるライトグリーンのコットンが、今日、カラードコットンとして出回っています。
カラードコットンは未晒しの自然な素材感、そして淡い色合いに特長があります。綿繊維自体に自然の色がついているため、漂白と染色の必要が無く、薬品によって繊維が傷むこともないのもいいところですね。なにより環境にやさしいのは確かですので、オーガニックにこだわる人に広く愛されています。
残念ながら伊織ではカラードコットン製品のお取り扱いはございませんが、生成り色のオーガニックコットンを用いた環境にやさしいタオル製品は、ベビーアイテムを中心に取り揃えております。その自然な風合いを是非お楽しみ下さい。