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[コラム] ホイットニーの綿繰り機

フライス盤の発明でも有名なアメリカ人のイーライ・ホイットニー(Eli Whitney)、彼は綿織物と産業革命に大きな貢献をした人物でもあります。彼が1794年に特許申請した綿繰り機は、従来の手による作業の50倍もの効率だったとのこと。すごいですね。
綿から実(タネ)だけを残して繊維をとる作業は気が遠くなるほど地道な作業です。それが人力とはいえ機械をクルクル回していくだけで、タネを残して繊維が取り出せるのは画期的です。

ホイットニーの綿繰り機
ホイットニーは他にもいろいろな発明をして名声を得ましたが、合理性に欠ける生産工程を分析し、作業効率を上げるいわゆる工作機械の開発が得意だったようですね。綿繰り機のアイデア(ネコが金網越しに鶏にちょっかい出していたところからアイデアを得たとか)がすばらしいのですが仕組み自体は簡単だったため、模倣されて苦労したようです。
この時代は特許をとっても模倣者への裁判などで逆に破産したりと不遇なこともあったようです。ジョン=ケイやカートライトなど、タオルの歴史を語る上で欠かせない先駆者も、職人さんの反対や裁判のもつれなどトラブルに見舞われ、事業者として成功できなかった人も多かったようです。残念な話ですね。

ホイットニーの綿繰り機
さて、ホイットニーが口火を切った綿繰り機は、それまでの木綿生産高を大幅にアップさせました。10年後にはアメリカの綿輸出高が220倍になったというので凄まじい話ですね。そんなに儲かるならそりゃ労働力(黒人奴隷)の確保に躍起になるというものです。
これらの機械化は、原料としての製鉄業の発展を促し、また大量の商品の運搬に輸送手段も高速化や大量輸送の技術革新が進むという、産業革命に一役を買ったという点でも、ホイットニーの綿繰り機は時代を象徴する存在として後世に語り継がれているのですね。